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【信岡良亮さんインタビュー】<後編>やりたいことを見つけるには、まずやってみることが大切


(写真提供: 自由大学)


信岡良亮さん

…同志社大学を卒業後、先輩が起業したITベンチャー企業に就職。その後退職し、島根県海士町に移住。現在は株式会社風と土との取締役として、海士町の食材を使った料理や音楽を楽しめるイベントの運営、株式会社アスノオトの取締役として企業研修などの企画・運営、地域を旅しながら実践型学習ができるさとのば大学の立ち上げを行うパラレルワーカー。


今回のインタビューでは、3つの職業に就き、パラレルワーカーとして働く信岡さんのこれまでの生き方と、人生のビジョンについてのお話を伺いました。


この後編では、信岡さんに生き方についてのお考えを伺います。自らの生き方に迷う人に、信岡さんがかける言葉とは。


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中編はこちら


 

やりたいことが見つからないのはやってみたことが少ないから

「自分の生き方」に迷っている人が増えていると言われる現代。現状にどこか満足できず、自らの生き方に迷っている人に、信岡さんならどんな言葉をかけるのでしょうかー。


うーん、どうでしょうね。人間はそれぞれ性質が違うから、僕みたいにある種「逸脱」した方が楽な人もいれば、安全なところが確保された方が挑戦できる人もいると思う。だから、一概にどうしたらいいとは言えない。でも「あなたにとってその選択にどんな意味があるんですか」ということは言えると思います。その答えが「みんなが言ってるから」という自分から離れたものだとしたら、それは危ないと思います。しっかり自分に問うた上で、自分にとってそこに未来があると思うんならいいんじゃないでしょうか。


ーなるほど。今おっしゃられた「逸脱」というのも、常識から逸脱するというよりも、「何も考えない状態」から逸脱するという意味が近いんですかね?

いいこと言いますね。それでいうと素敵なことわざがあって。「生きた魚は流れに逆らって泳ぐ」っていう。川があったら、死んだ魚は川の流れる方向にしか流れないわけですよ。でも生きている魚は上れる。だから、自分の意志で逆らうか、流れるかを決められるのは生きてる人なんですよね、基本的に。

(写真提供: 自由大学)


ー面白いことわざですね。学生が将来を考えてみたときに、そもそもやりたいことがわからない人も多いと感じているんですけど、やりたいことを見つけるためにはどうしたらいいのでしょうか?

やりたいことがわからないのは、やってみたことが少ないからですよ。例えばコミュニケーションの勉強をすると、隣で親子がけんかしているのを見たら「いや、親のこういうコミュニケーションだけ変えれば全然いい関係になるのに」って思って介入したくなる。そういうときに初めてやりたいことが生まれるのだと。


ー確かに。やりたいことってそういう時に生まれるのかもしれません。

そうなんです。ご飯を作って食べさせたとして「なにこれ」って食べられたら作りたくなくなる。でも「このカレーめっちゃおいしい。どうやって作ったの」って言われながら食べてもらえると、また明日もカレー作りたくなるし、次も料理を作りたくなる。そういう経験がないから、他の人をどうやって幸せにできるかわからない。だからやりたいことがないっていう状態なんじゃないかなと。


ー経験がそもそも少ないからどうしたらいいか分からないんですね。

そうですね。人間って結構いいやつだと僕は思ってまして、「自分がこれをすれば誰かを幸せにできる」ってことが分かっていると、その能力を使って誰かを幸せにしたいと考えるようになると思うんです。そう考えると、やりたいことを見つけるためには「人を喜ばせる成功体験をどうやって積めるようになるか」が先。やりたいことは、それによって後から形成されるものだと思います。だから早く社会にたくさん関わって経験を重ねることが大切なんだと。その中で、自分が人を笑顔にできることは何なのかを、体感できたらいいと思います。(完)

(写真提供: 自由大学)



編集後記

にこにこ笑顔で親しみやすい雰囲気を纏っている信岡さん。

そんな信岡さんは、世間や周りの動きに合わせるのではなく、自分にとってその選択に何の意味があるのかを軸に選択を行う芯のある方でした。

学校での勉強は正解や模範解答があり、目指すべき方向やそのための道筋がわかりやすかったのですが、自分の人生を考えるときには正解がない中で自分の選択に意味づけをしていくことが必要になります。その判断軸に自分の価値観をより多く盛り込み、自分の軸を持つことが重要になると感じました。

信岡さん、素敵なお話をありがとうございました!

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